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【クリーニング屋の秘密】乾燥へのこだわり

「クリーニング」というと洗うことに注目しがちですが、実は乾燥工程でも技術の差が出るのをご存知でしょうか?

段通、手織り絨毯、デリケートなシルクやウールまで、ありとあらゆる絨毯をクリーニングできるデア。
洗うだけでは終わらない、絨毯乾燥へのこだわりと技術力の秘密をご紹介します。

 

絨毯乾燥は、単に乾かすだけでは終わりません

洗濯やクリーニングの失敗談で、「縮んでしまった」という話を聞きませんか?

絨毯・カーペット・マットの場合は、「剥がれてしまった」「歪んでしまった」なんてこともあるかもしれません。
このお悩み、洗う段階だけではなく、実は乾燥の工程にも原因が潜んでいます。

 

乾燥というと、単に乾いた状態にすることをイメージしてしまいます。
しかし、デアで行う『乾燥』とは、品物に合わせて適切な温度や環境を選び、適切な時間をかけてきちんと水気を取り除くことを指します。

▼絨毯・カーペットの性質は千差万別

乾燥の仕方を品物に合わせて変えなければ、繊維や素材が変質してしまいます。
そうならないために品物の特性を理解し、乾燥の仕方を見極める必要があります。

絨毯1つ1つに、最適な乾燥の仕方があります。
それを見極められる事こそ、熟練職人の成せる業。

デアの絨毯乾燥の秘密は、職人の判断力と、最適に整えられた乾燥環境です。

 

デアの絨毯乾燥の秘密①:職人の目と「動物繊維」

絨毯を形作る繊維には、天然繊維・化学繊維・再生繊維など様々な種類があります。
この中でも、天然繊維はさらに「植物繊維」と「動物繊維」に分けられます。

 

例えばシルクやウール。これらは天然繊維の中でも「動物繊維」にあたります。
生き物が身を守るために生み出す素材からできていますので、保温性や手触りに優れた高級絨毯として知られています。

▼動物繊維、シルク(絹)とウール(羊毛)

動物繊維はデリケートなため、強い熱が加わったり、一気に乾燥させてしまうと、変質して縮んでしまいます。

原因は素材の元であるタンパク質。熱に弱く、変質しやすい物質です。
料理中にお肉を焼いたことがある人はご存知かもしれませんが、タンパク質でできた物は強い熱を加えると縮まってしまいます。

熱に弱い動物繊維でできた絨毯は、時間をかけて自然乾燥させる必要があります。

 

しかし、もちろんただ何でも吊るして干しておけば良いということではありません。
室内で陰干しが必要な物や、脱水後に低温乾燥に掛け、その後で自然乾燥する方が適している絨毯もあります。

様々な天然素材を見慣れた職人だからこそ、絨毯の素材を見極め、乾燥の仕方を選ぶことができます。

 

デアの絨毯乾燥の秘密②:職人の目と「化学繊維・接着剤」

絨毯・カーペット・マットの中には、化学繊維でできた物も数多くあります。
ポリエステル、アクリル、ポリプロピレンなどの名前は、一度は耳にしたことがあるかもしれません。

化学繊維は天然繊維に比べ、シワになりにくい・型崩れしにくいなどのメリットがあります。
製造段階では、価格が安価になりやすいことや、吸湿発熱加工・速乾加工など生活に便利な機能を備えた繊維にできるという利点もあります。

 

「天然」と「化学」を比べると、化学繊維の方が頑丈そうですが、熱に関してはそうではありません。

化学繊維の場合、主原料は石油。
ここから生成される物質を使って繊維を形作っていますが、熱に弱い物が数多くあります。
また、絨毯を作る時に接着剤を使っている物も多く、こちらも熱に弱い性質を持っていることがあります。

▼絨毯の裏側を見ると、接着剤を使っていることがわかる

熱を加えると軟化する化学物質は、製品を作る時は簡単に成形できるので便利ですが、一方で耐熱性は十分ではありません。
加熱すると溶けたり劣化してしまうので、高温で乾燥させればひとたまりもありません。
化学繊維・接着剤を使用した絨毯も、やはり低温乾燥や自然乾燥をさせる必要があります。

素材だけでなく、裏地や絨毯の造りにも着目し、より適切に絨毯を傷めないよう乾燥の仕方を選んでいます。

デアの絨毯乾燥の秘密③:適切な乾燥環境

職人の目で選別された絨毯は、性質に合わせた環境で乾燥をさせます。

▼絨毯乾燥室の様子

絨毯は様々な素材から作られているだけでなく、たくさんの色を使って織られています。

 

例えばギャッベという敷物は、草木染めの羊毛で作られています。
素材も染料も天然の物を使っていますので、化学繊維で作った物に比べて色移りしやすく、日光に長時間当ててしまっては色あせてしまいます。
この場合、まず色移りを防ぐために、低温乾燥室で早く乾燥させます。
温風で約60度に調節された乾燥室は、絨毯を傷めず、素早く乾かすことができます。
また、品物によって仕上げに自然乾燥させますが、この場合も日光に当てず室内で陰干しします。

 

一方で、日光で変質しない敷物は太陽光の熱を利用して自然乾燥させることもありますが、この場合も外気には触れさせず室内で乾燥を行います。
綺麗に洗った後の絨毯に無用な土埃を付けることなく、しっかりと乾燥をさせています。

 

大切な『乾燥』の工程

絨毯に限らず、様々な製品にも言えることですが、乾燥の工程はただ何となく乾かせば良いわけではありません。

お客様が大切にされている敷物をより良いかたちで仕上げるために、素材の特性を理解し、一番良い方法は何なのか、何をしたら傷んでしまうのか判断して乾かさなくてはいけません。
シワや型崩れが起きないように、広げてじっくりきちんと芯まで乾かせる、広い乾燥室も必要です。

 

ご自宅や量販店では叶わない作業も、知識と技を持った職人なら叶えることができます。
デアのクリーニングは、こだわりを持った職人たちによって支えられています。

▼職人が1枚1枚丁寧にクリーニングしています

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