ギャッベをクリーニングしませんか?ギャッベの魅力と取り扱い方法
こんにちは!デア絨毯工房です。
絨毯・ラグ・カーペット専門でクリーニングを承っているデア絨毯工房には「うちの絨毯、大切なギャッベなんですけど、洗えますか?」とお問合せをいただくこともあります。
大切な手織り絨毯をクリーニングに出すわけですから、不安になるお気持ちもとても良くわかります。
デア絨毯工房はギャッベの取り扱い実績も豊富ですので、天然の色を損ねることなく溜まってしまった汚れをしっかり落とすことができますよ。
ギャッベは日本でもジワジワと人気が上がってきている絨毯なのですが、まだ知らないという方も多いかと思います。
今回は、ギャッベの魅力と特性、普段のメンテナンスについてご紹介します。
お使いのギャッベ絨毯の匂いが気になる・・・という方もぜひご覧になってみて下さい。
目次
ギャッベってどんな絨毯?
ギャッベは非常に歴史が長い織物で、紀元前八千年頃から織られ始めたと言われています。
ギャッベという言葉はペルシャ語で「ざっくりした」という意味で、ギャッベ絨毯はイランの砂漠近くのシラーズ地方で遊牧をしているカシュガイという遊牧民族によって織られた絨毯を指します。
近年はギャッベ人気が高まってきていて、インド、トルコ、ベルギーなどで織られるイラン産以外のものや機械織りのギャッベもあるのですが、これらは本来のギャッベではないということはぜひ覚えておいてください。
ギャッベの素材は?
絨毯には衣類と違って洗濯表示タグがついていないこともあるのですが、ギャッベはウール100%で織られています。
毛足は長めでざっくりと織られていますが、手ざわりはとてもなめらか。
シルクのようなトゥルンとしたなめらかさとはまた違って、どこか安心感があるようなやさしい手触りをしています。
染料は自生する草木などの天然染料
ギャッベは赤、黄色、緑、青などの色がベースになっているものもが多いのですが、これらの色は現地に自生する草木などの天然成分から抽出されています。
黄色や緑には野草、黄色・茶色にはザクロの皮やくるみの皮などの植物の皮、青は藍(インディゴ)など、たくさんの自然素材の染料があり、これらを組み合わせることで深みのある色を出していくのです。
ちなみに赤か緑と言っても鮮やかすぎるものではなく異国情緒が強いものでもありません。
目にやさしい地球そのものを感じるようなお色味ですので、日本の住環境にもよく合いますよ。
ギャッベの魅力と特徴
もともとはイランの砂漠で遊牧生活をするために女性たちが家事の合間に織っていたのがギャッベ絨毯で、現地の方々にとっては遊牧生活に欠かせない大切なインテリアです。
手織物なのでとても個性的でありながら、厳しい遊牧生活を快適に行えるような工夫もたくさんあります。
厚みがあり春夏秋冬快適
ギャッベは厚みがある織物で、足の裏を固いフローリングから守ってくれます。
厚みがあると言われると、夏場は暑くて使えないのでは?と思えるかもしれませんが、そんなことはありません。
空気をしっかり含んでくれるので夏場でもひんやりと感じることができるんです。もちろん冬はあたたか!
その厚みから見た目で暑苦しい・・・と思われる場合は外すことになるかと思いますが、機能としてはオールシーズン対応です。
柄がとても個性的でかわいくて懐かしさもある!
ギャッベは手織り絨毯なので、1枚1枚柄が異なります。
決まった柄やパターンはないのですがよく使用されるモチーフがありますので、意味を知っておくと選ぶのが楽しくなりますよ。
ギャッベの色は自然界から生まれた色なのでとても目に優しい落ち着いた色合いをしています。
柄となるモチーフも植物、人、動物、模様など、私たちにとっても身近なものであったりするので、初めて見るのにどこかで見たことがあるような既視感があったり懐かしさすら感じることもあります。
ペルシャ絨毯のような総柄の鮮やかなものはピンとこなかったけど、ギャッベには一目ぼれした!という方もいるくらいギャッベは魅力的な柄をしています。
モチーフの意味と色はかなり多岐にわたりますので、ここでは割愛します。次の機会に詳しくご紹介しますね。
ギャッベの特性を知ろう!
ギャッベは本来、砂漠地方で快適に暮らすために作られたウール100%の毛足の長い絨毯ですので、高温多湿の日本ではメンテナンスが必要だったり、ちょっと気になることがあるかもしれません。
ずっしりと重いです
ギャッベは厚みのある絨毯なので、サイズが大きくなるほど厚みも出てきます。
アクセントラグくらいのサイズなら女性でも持てますが、ルームサイズになると20㎏を超えるものもあるので、ひとりで持ち上げるのはかなり大変です。
定期的に干して風を通した方が良いのですが、大きなギャッベ絨毯のメンテナンスは体力のある男性に手伝ってもらうことになると思います。
最初は抜け毛があります
ギャッベは羊の毛を紡いで織られているので、最初は遊び毛が抜けてきます。
抜けた毛が服についてしまうことがありますが、この抜け毛を防ぐ方法はありませんので、気になる場合はこまめに掃除機をかけたり、ついた毛を取り除く作業が必要になります。
織の密度が高いギャッベほど毛が抜けにくくなりますので、抜け毛が心配な場合は折り目が細かいギャッベを選ぶと良いでしょう。ただし、細かければ細かいほど価格も上がります。
匂いが気になることがあります
梅雨の時期や雨が続く日にはギャッベから獣臭のような匂いがしてくることもあります。
この匂いはギャッベの特性によるものです。ウールは湿度を調節する機能が高く、湿気が高くなると室内の湿気を吸い取って湿度を下げる働きがあるんです。
この吸い取った湿気を吐き出すときに羊の獣臭も吐き出してしまうことが匂いの原因と言われています。
ですので、匂いがするということは湿度をしっかり調整してくれているということなので、良質なウールが使用されている証でもあります。
とはいえ、部屋に獣臭がする・・・なんてことになったらイヤですよね(笑)
匂いが気になってきたら、
・換気をする
・晴れた日に風通しの良い日陰でギャッベを陰干しする
・干せないときはギャッベをめくって扇風機などで裏側に風をあてる
などの方法でギャッベに溜まった湿気を抜いてみて下さい。
また、新品のギャッベでも開封直後は匂いがすることもあります。この場合は陰干しをしてこもった匂いを抜いてみて下さい。
もし、匂いが気になってギャッベの購入を迷っているという方がいらっしゃいましたら、梅雨の時期にたくさんのギャッベが並んでいるお店に行ってみられると良いですよ。
ぜひ本物のギャッベに触れて、魅力を体感してみて下さいね。
ギャッベのメンテナンス方法・お手入れの注意点
ギャッベは基本的に敷きっぱなしで大丈夫で、メンテナンスは掃除機がけになります。
ご家庭で洗うことはできません
↑高級手織り絨毯を手洗いしているデア絨毯工房の職人です
ギャッベは水洗いも可能なのですが、ご家庭で洗うことはおすすめしません。
風合いを保ちながら長く使っていくなら、ぜひ絨毯専門のクリーニング店であるデア絨毯工房にお任せ下さいね。
無添加石けんの泡でしっかりと水洗いをして、サッパリ汚れを落としてお届けいたします!
できれば定期的に干したいですが・・・
絨毯の湿気は床に面している裏側に溜まりやすいので、できれば定期的に床から外して陰干しをしたいのですが、ギャッベはとても重いので持ち上げられないものもあるかと思います。
この場合は半分ずつめくって、めくった裏側に扇風機やサーキュレーターで風を当てましょう。
これだけでもカビやギャッベ特有の匂い防止になります。
汚れたらどうすればいいの?
ギャッベにジュースなどをこぼしてしまうこともあるかと思います。
ウールには天然の油脂が含まれていますので、すぐに拭き取れば内側まで染みてしまうことはありません。なるべく早く乾いたタオルなどでふき取ってみて下さい。
汚れが残ってしまったら、水で濡らして固く絞ったタオルでポンポンと叩いて拭き取ります。汚れが落ちたら乾いたタオルでポンポンと叩いて水分を拭き取りましょう。
水拭きでも汚れが取れなかったら、おしゃれ着用洗剤などのウールに使用できる洗剤を薄めた洗剤液にタオルを浸して、固く絞ってから汚れ部分を叩いてみて下さい。汚れ落ちたら水拭き⇒乾拭きで仕上げます。
いずれもゴシゴシこすることはせずに、ポンポンと叩くようにします。
この方法でも落ちない汚れは、デア絨毯工房にお任せ下さいね。