生活の知恵から生まれました。用途に応じた優れた絨毯・カーペット
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ペルシャ絨毯の価値は手間のかかる時間にある
ペルシャ絨毯は織物として現在のイラン地方、ペルシャで紀元前5世紀ごろ生まれたとされています。織物といっても縦糸に糸(パイル)を結んでいる(挟んでいる)だけの言ってみれば単純な構造なのですが、ウールやシルクの細い糸で、きめ細かく模様を作りながら織るので、織り上げるのにも大変な日数がかかります。職人技は綿々と受け継がれ今も変わらぬ製法で緻密で美しい柄が仕立てられています。時を経る程、価値が上がり、現代においても高価なものが多いのも納得ですね。
ギャベはペルシャ絨毯のルーツで
ペルシャ絨毯が生まれる前、敷物は遊牧民族が羊から刈り取った毛で衣料用として毛糸を作り、その余った毛で作られていました。それがギャッベです。ですからギャッベの語源はなんと「ゴミ」なんです。 ギャッベは糸が太くて厚い絨毯です。砂漠の生活ですから激しい寒暖の差にも、サソリを避けるためにも厚い敷物が必要だったのです。テントとともにラクダに乗せられ、移動する敷物として利用されていたギャッベ。絨毯の始まりです。
キリムは生活必需品
キリムとはウールの平織りのものを指しています。敷物に限らずテント布や収納用具などの生活道具として使われていたものも、すべてキリムです。
キリムは砂漠地帯のさらに奥、山岳地帯で使われる敷物として生まれました。主にヤギの毛で編まれましたが、羊やらくだの毛から織られるキリムもあります。 裏表が同じ模様でリバーシブルになっているのも特徴です。
ギャッベ・キリムは実用品
ギャッベの織り方は立て結びですから表裏があります。表のほうにパイルを長くつけているので毛足が長く厚く、温かい織物になっています。ギャッベ・キリムとも生活の実用品として使われてきました。砂が敷物の中に入っても叩くとすぐ取れるようになっています。これが手織りの良さです。機械織りのカーペットは目に詰まって細かい砂などは取れません。まさに砂漠で生活する知恵から生まれた実用的な敷物なのです。
装飾品としてのペルシャ絨毯
一方ペルシャ絨毯は実用的な敷物だけでなく、ぜいたくな装飾品として発展しました。現在でも敷物、タペストリー、テーブルクロスやイスラムの宗教的な祭礼用のマットなどに使われています。 それぞれの種類によってペルシャ絨毯製作工房も生まれました。タブリーズ、ナインなど地域によって模様が大きく変わるのも特徴です。 産地は14ぐらいあり、国が認めた有名工房もあります。有名工房のものは名前も絨毯に織られ高値で取引されています。
天然染料で染められ、細かく織られたペルシャ絨毯は、踏めば踏む程、味わい深い色合いを出し、芸術品としての価値も高くコレクターも存在します。
実用品であり芸術品である絨毯のケアは、信頼の高いクリーニング店へ
ペルシャ絨毯、ギャッベ、キリムなどの高級絨毯は、通常の絨毯クリーニングではできません。
クリーニングのデアでは、シルクやウールなどの材質と、そのクリーニング方法を知り尽くした職人が洗います。
変色したペルシャ絨毯の房の漂白作業。こうした作業は熟練した技が必要です。
十分自然乾燥され、仕上げ作業を経てお客様にお届けされます。