絨毯の種類
平織りカーペット
平織りカーペットとは、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)を組み合わせたもので、パイルのないカーペットのことを言います。平織りカーペットには、「緋毛氈(ひもうせん)」、「菊水織り(きくすいおり)」、「三笠織り(みかさおり)」などの種類があります。
- 表面
- 裏面
タフテッド(フェルト・麻張り)
タフテッドカーペットとは、タフテッドマシンによって、基布にパイルを刺し込む刺繍方式の製法によるカーペットのことを言います。タフテッドカーペットのパイル形状には、「ループ」、「カット」があります。タフテッドカーペットの素材には、「ナイロン」、「ウール」、「アクリル」、「ポリエステル」などが用いられています。タフテッドカーペットは、カーペットの中で最も多く使用されています。
薄い絨毯でも、ウールまたはウール混紡の絨毯は、ウイルトンBの分類。
- 表面・裏面
- 裏面・タグ
・裏表が同じ模様に見えますが、表面に似た裏地が貼ってあります。ペラペラと折り曲がります。 平織りに裏地はありません。
- 表面
- 裏面
・表に柄のあるタフテッドもございます。ペラペラとした布張りはタフテッド扱いとなります。
- 表面・裏面
- 表面・裏面
- タグ・ウールマーク
レーヨンカーペット、ウィルトンカーペットA・B
ウィルトンカーペットとは、基布とパイルを同時に織る機械織りのカーペットのことを言います。 ウィルトンカーペットは、18世紀の中頃に、イギリスのウィルトン地方で織られたのが始まりで、この名が付けられています。ウィルトンカーペットは、2~5色の柄出しができ、パイル密度が細かく、耐久性に優れると言う特徴があります。 二重組織りのものを「ダブルフェイス」と言います。
レーヨン製の機械織りカーペット。 裏張りがなく、楽に折りたたみが出来ます。 レーヨン独特の光沢があります。
ポリエステル・アクリル・ポリプロピレンなどの化学素材のもの。 裏張りがありませんが、折りたたみは難しい。
- 裏面
- 表面・裏面
ウールまたはウール混紡の機械織り。折りたたみは難しい。 アキスミンスターと呼ばれる最高級ウイルトンカーペットは追加料金となることがあります。
- 横
- 表面・裏面
ベルギー製の絨毯はウィルトン織が多いようです。
- 表面・裏面
- 表面
- タグ・ウールマーク
シャギーカーペット(アクセントラグ)A・B
■ 毛足が毛糸のように細長いもの、2cm以内のものはシャギーA
■ 毛足がヒモの様に太いもの、2cm以上はシャギーB
シャギーカーペットとは、パイルの長さが約1cm以上のカットタイプで、太めのパイルを粗く打ち込んだカーペットのことを言います。シャギーカーペットは、装飾性があり豪華で肌ざわりがよく、ピース敷きや重ね敷きのラグなどに多く用いられています。カーペットのカットタイプには、シャギーの他に、プラッシュ、ベロア、サキソニー、ハードツイスト、ヘアーなどの種類があります。
一般的には厚めで重いカーペットです。 裏張りと表面のパイル布地を接着するために水溶性ラテックスという接着剤を使用しています。
毛糸程の太さ・撚り・1センチ以上の毛足のあるものは、シャギー・ラグとなります。 このお品物は裏張りはありません。接着剤が直に見えるタイプです。 接着剤が劣化すると粉がポロポロ出ます。
- 表面・裏面
- 表面・裏面
このお品物が一般的なシャギー・アクセントラグ(センターラグ)といわれるものになります。 裏張りは綿、四辺折り返し有り。 カービングのような凸凹がありますが、異なるパイルを打ち込むことによって凸凹を作っています。
- 表面・裏面
- 裏面
- 横面・裏面
- 表面・裏面
毛足が2cm以上あるものはシャギーB扱いになります。
- 表面
- 裏面
ホット(電気)カーペット
ホット(電気)カーペット。床暖房と同じで暖かくて快適ですが、ダニが多く発生しますので定期的な丸洗いクリーニングが必要です。また低温火傷や異常高温による床やカバーの炭化に注意が必要です。 クリーニング前とクリーニング後に通電確認いたします。クリーニング前に通電しないものは返品させていただくことがあります。
ホットカーペットで、毛足(パイル)があるものです。
-
表面
ホットカーペットカバーとして販売されているもの。 厚手の布のようにぺらぺらと折りたためるもの。
- 表面・裏面
- 裏面・タグ
中国段通・織り段通(ウール/シルク)
中国緞通は大柄の花の模様が多いのが特徴。ウール製の段通は、厚くどっしりとした重みがある。
中国段通とは、中国で生産された絨毯のことを段通と呼びますが、これは中国語の毯子(タンツ=もうせんのこと)の当て字。厳選された良質の羊毛を用いてつくられます。
およそ2,000年前、シルクロードを通って,ペルシャ民族や蒙古民族、ウイグル民族、漢民族などにより中国にもたされ、独特の風合いをもつ中国段通は、現在では、精巧で気品に富み、実用性に優れた伝統的な工芸美術品として愛用されています。
その製造方法は独特のもので、選び抜かれた羊毛を紡いだ毛糸を、さまざまな配色の需要に応じられるように、約6000種もの色に染め上げます。
『カービング』と呼ばれる独特の浮き彫りの技法で織られたのち、最後に科学洗浄処理(マーセライズ)を施され、鮮やかな色彩と シルクに似た光沢をもつ中国段通ができあがります。
織り段通の特徴としては
- 房がある
- カービング(彫刻加工)がある
- 裏面から折り目(表面と同じような模様)が確認できる
シルクの織り段通です。シルクは独特の光沢があり、ウールの段通に比べて薄く、カービングが浅いです。
- 表面・房
- 表面・カービング
- 表面・裏面
- 側面
ウールの織り段通です。近年は房のないもの、花柄でないデザインの段通も登場しました。 房のひらひらした部分はありませんが、房の元部分を折り返しています。
ペルシャ絨毯(ウール/シルク)・キリム絨毯(ウール) ギャッベ絨毯(ウール)・パキスタン絨毯(ウール)
ペルシャ、その他ギャッベ・キリムなど、イスラム諸国の絨毯 オリエント絨毯(じゅうたん・カーペット・ラグ・マット)、他の高級絨毯。 ペルシャ絨毯は、裏面を返して見ると、1センチ幅に縫い目が10個以上あります。
ペルシャ絨毯
オリエンタル絨毯の中で、最も洗練された逸品「ペルシャ絨毯」 古代オリエントの大部分を占めたぺルシア帝国時代に発祥、サザン朝ペルシア時代に製法技術が確立されたと言われ、その後、ペルシャ絨毯に深い理解を示したサファビ朝のシャー・アッバス1世の時代に黄金期を迎え、いまに至っています。その多彩なデザインと緻密な製織技術は、現在でも絨毯の最高峰とされています。
キリム絨毯
キリムとは織りの技法からついた呼び名。平織りの一種で綴れ織りのことをいいます。 現在はトルコ東部からイラン、イラク、シリアなどの国堺に住んでいるクルド人のほか、東欧や南米など世界各地で織られています。 幾何学模様のデザインとカラフルな色使いが特徴。 また、かさばらないので、敷物、壁掛け、べッドカバーなどいろいろな用途に使えます。
ギャッベ絨毯
ギャッベとは、ペルシア語のファールス地方の言葉で、「長い毛足をもつ絨毯の一種」という意味です。モダン・アートの染織芸術品と見紛う、シンプルで、強烈なインパクトのあるデザインは、ギャッベならではのものです。 ギャッベの色あいは陽気な明るさを持ちあわせながら、合成染料のようなどぎつさのない自然な草木染めです。
パキスタン絨毯
パキスタン絨毯の模様は総柄が殆どです。バホラと呼ばれる幾何学文様の連続柄があげられモダンな柄。色のバリエーションが多く、手触りの良いのが特徴です。 シングルノットの織りのため小さく折りたたみが出来て軽いので、そのしなやかな風合いは、世界中の人々から愛されています。
ペルシャ絨毯の品質の見分け方
ウールとシルクで大きく変わります。シルクはペルシャ絨毯の房が細く、つやがある。パイルの表面生地が柔らかくツヤがあり、角度によって色の見え方が変わるなどの特徴があります。 またペルシャ絨毯の裏面には、無数の結び目があります。 結び目の1平方メートルあたりの数を「ノット数」といいます。 1センチ平方メートルに、縦5個、横5個の結び目があると、5×5=25個で、1平方メートル内でノット数を計算すると、62万5千個の結び目がある(62万5千ノット)絨毯だということになります。ノット数が多ければ多いほど織り上げるのに手間と時間がかかり、高級品となります。 シルクは糸が細い分、ノット数(結び目)も多くなり、高級と言うことになります。 参考にノット数の目安を紹介します。
・希少品 100万ノット以上
・超高級品 50万~100万ノット
・高級品 32.5万~50万ノット
・中級品 20万~32.5万
・普及品 5万~20万ノット
ウールとシルクの見分け方
- 房(フリンジ。絨毯の端にある糸の束)を見ると、 シルクの房は糸の様に細く、ウールはヒモの様に見えます。
- シルクにはツヤがあり、生地をさわると色が変わって見えます。
- シルクの絨毯は薄く、ウールの絨毯は厚いものが多いです。
大多数のカーペット・ラグは、裏張りと表面のパイル(布地)を接着するために、水溶性ラテックスという接着剤を使用しています。この接着剤が経年とともに加水分解を起こして劣化し、絨毯から砂のような粉粒が出てきます。 あたかも砂のように見えますが、決して砂やほこりではありません。こうした物をカーペット(絨毯・ラグ・マット)を洗うと、さらに粉が出て来てしまいます。これはクリーニングでは洗い流すことは不可能です。
その他
絨毯(じゅうたん)とカーペット
「絨毯は比較的値段が高い物」「カーペットは安い物」と俗に言われたりしますが、カーペット(carpet)も 絨毯(じゅうたん)も本来は同じものです。
絨毯の絨とは、毛織物を指し、糸偏に戎(えびす)で、西方の蛮族の織物がその由来ともいわれてます。「毯」は毛+炎で、ほのおのようにけばだつ、けむしろの意味をあらわすそうです。 英語のcarpetの語源はラテン語のカルペレ(carpere =毛をむしる)にあるそうです。
カーペット(絨毯)とラグ・マットの違い
ラグは小さめで、厚手の敷物で、アクセントラグなど、敷きつめないで部分的に敷くものを指します。
一般的には以下のようにサイズで分けて分類しているようです。
1畳まで:マット
1畳から3畳まで:ラグ
3畳以上:カーペット(絨毯)
英国では部屋に敷き詰めるものを「カーペット」、敷きつめないものを「ラグ」と言うようです。また米国では手織りものを「ラグ」、機械織りを「カーペット」と言いますから、国によってそれぞれ呼び名は違います。 壁掛けの織物はタペストリーと言います。
■ クリーニングのデアでは、1.5m2未満のものはマット、1.5m2以上は絨毯の扱いになります。
段通
人の手によって丁寧に織られたハンドメイドの高級敷物。ペルシャ段通や中国段通など『段通』には『段』と言う表記があります。たとえば120段と言うのは、30.3cm(1フィート)角に120本のパイルが結ばれているということです。
横の密度は、タテ・ヨコ同じなのが通常で、120段の場合、120×120で14,400個の 結び目があると言うことです。段通は通常、地経糸2本に対し、1本のパイル糸を1本ずつ結びつけるのでパイル数が多ければ多いほど手間がかかり、また繊細な柄を作る事が出来るのです。文字通り「段を通す」作業を手作業で行う訳です。
基布の地縦糸1本1本にパイルを手で絡ませて結びつけカットしながら織って行きます。6帖の絨毯を織るのに4人で織ってウール物で2ヶ月、シルクだと4ヶ月相当かかります。
パイル糸の結び方が地域によって異なり、ペルシャ・ギャッベ・キリム・中国その地域名を付けた緞通があリます。素材はウール、シルク(絹)があり、日本の鍋島緞通は綿で織られています。
■ 「パイル」とは、カーペットの下地から(織り、刺繍、接着、編みにより)出ている繊維のこと。 絨毯表面の毛、毛足。「パイル長」とは「パイル」の毛足長さを表しています。
下記のお品物につきましての特徴や料金は料金表をご覧ください。
- ・ムートン・ハラコ等 獣毛
- ・Sクラス(カシミールシルク、トルコヘレケシルク、有名工房ペルシャカーペット)